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飲料水の水質検査について
1 安心して水を飲むために
井戸水を飲用に使用されているご家庭や事業所は、日頃から色・濁り・臭い・味などの異常に注意し、定期的に水質検査を受けて、飲用に適しているかどうか確認しましょう。
地下水は地域によって、それぞれ水質が異なりますが、通常、同じ場所なら年間を通じて比較的安定した水質を保っているものです。
したがって、水質検査の結果、いくつかの項目に急に変化があったときは注意が必要です。
2 水質検査の内容
井戸水などの検査の目的は、周囲の環境から汚染されていないかどうかを調べるもので、汚染の目安となる検査項目(一般項目)は次のとおりです。
なお、新たに井戸水を飲み水として使い始めるときには、飲み水として適するかどうかを判断するため、水道法の水質基準に準じた水質検査を実施する必要があります。
(1)検査の種類と実施頻度
検査の |
実施頻度 |
項目 |
---|---|---|
定期検査 |
1年に1回程度 |
一般項目(13項目) |
使用開始前検査 |
井戸を使い始める前 |
水道法に定める水質基準項目(51項目) |
臨時検査 |
必要に応じて |
外部からの汚染の恐れがある場合等で必要な項目について実施 |
(2)一般項目(13項目)
項目 |
水質基準 |
内容 |
---|---|---|
臭気 |
異常でないこと |
|
味 |
異常でないこと |
|
色度 |
5度以下であること |
|
濁度 |
2度以下であること |
|
pH値 |
5.8以上8.6以下であること |
|
亜硝酸態窒素 |
0.04 mg/L以下であること |
|
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 |
10 mg/L以下であること |
|
塩化物イオン |
200 mg/L以下であること |
|
有機物 |
3 mg/L以下であること |
|
カルシウム・マグネシウム |
300 mg/L以下であること |
|
鉄及びその化合物 |
0.3 mg/L以下であること |
|
一般細菌 |
100個/ml以下であること |
|
大腸菌 |
検出されないこと |
|
※注意
地域の飲用井戸や地下水の水質検査結果などから、これら以外にマンガン、ヒ素、フッ素等の項目を追加して実施することが望ましい場合もありますので、検査をされる場合は、市町の担当課又は最寄りの県健康福祉センター(環境保健所)へご相談ください。
(3)水道法に定める水質基準項目(51項目)
|
項目名 |
基準 |
---|---|---|
1 |
一般細菌 |
100個/ml以下 |
2 |
大腸菌 |
検出されないこと |
3 |
カドミウム及びその化合物 |
0.003 mg/L以下 |
4 |
水銀及びその化合物 |
0.0005 mg/L以下 |
5 |
セレン及びその化合物 |
0.01 mg/L以下 |
6 |
鉛及びその化合物 |
0.01 mg/L以下 |
7 |
ヒ素及びその化合物 |
0.01 mg/L以下 |
8 |
六価クロム化合物 |
0.02 mg/L以下 |
9 |
亜硝酸態窒素 |
0.04 mg/L以下 |
10 |
シアン化物イオン及び塩化シアン |
0.01 mg/L以下 |
11 |
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 |
10 mg/L以下 |
12 |
フッ素及びその化合物 |
0.8 mg/L以下 |
13 |
ホウ素及びその化合物 |
1.0 mg/L以下 |
14 |
四塩化炭素 |
0.002 mg/L以下 |
15 |
1,4-ジオキサン |
0.05 mg/L以下 |
16 |
シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン |
0.04 mg/L以下 |
17 |
ジクロロメタン |
0.02 mg/L以下 |
18 |
テトラクロロエチレン |
0.01 mg/L以下 |
19 |
トリクロロエチレン |
0.01 mg/L以下 |
20 |
ベンゼン |
0.01 mg/L以下 |
21 |
塩素酸 |
0.6 mg/L以下 |
22 |
クロロ酢酸 |
0.02 mg/L以下 |
23 |
クロロホルム |
0.06 mg/L以下 |
24 |
ジクロロ酢酸 |
0.03 mg/L以下 |
25 |
ジブロモクロロメタン |
0.1 mg/L以下 |
26 |
臭素酸 |
0.01 mg/L以下 |
27 |
総トリハロメタン ※ |
0.1 mg/L以下 |
28 |
トリクロロ酢酸 |
0.03 mg/L以下 |
29 |
ブロモジクロロメタン |
0.03 mg/L以下 |
30 |
ブロモホルム |
0.09 mg/L以下 |
31 |
ホルムアルデヒド |
0.08 mg/L以下 |
32 |
亜鉛及びその化合物 |
1.0 mg/L以下 |
33 |
アルミニウム及びその化合物 |
0.2 mg/L以下 |
34 |
鉄及びその化合物 |
0.3 mg/L以下 |
35 |
銅及びその化合物 |
1.0 mg/L以下 |
36 |
ナトリウム及びその化合物 |
200 mg/L以下 |
37 |
マンガン及びその化合物 |
0.05 mg/L以下 |
38 |
塩化物イオン |
200 mg/L以下 |
39 |
カルシウム、マグネシウム等(硬度) |
300 mg/L以下 |
40 |
蒸発残留物 |
500 mg/L以下 |
41 |
陰イオン界面活性剤 |
0.2 mg/L以下 |
42 |
ジェオスミン |
0.00001 mg/L以下 |
43 |
2-メチルイソボルネオール |
0.00001 mg/L以下 |
44 |
非イオン界面活性剤 |
0.02 mg/L以下 |
45 |
フェノール類 |
0.005 mg/L以下 |
46 |
有機物(全有機炭素(TOC)の量) |
3 mg/L以下 |
47 |
pH値 |
5.8 以上 8.6 以下 |
48 |
味 |
異常でないこと |
49 |
臭気 |
異常でないこと |
50 |
色度 |
5度以下 |
51 |
濁度 |
2度以下 |
※総トリハロメタン=クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン及びブロモホルムのそれぞれの濃度の総和
3 検査方法
井戸水の水質検査は、水道法で定められた厚生労働大臣の登録を受けた民間の水質検査機関等で受けることができます。水質検査機関については、市町の担当課又は最寄りの県健康福祉センター(環境保健所)へお尋ねください。
検査のための採水容器は、不純物や他の細菌の混入を防ぐため、水質検査機関が用意している専用の容器を借りるようになっています。
また、検査する項目によっては、採水にあたり専門的知識を必要とする場合がありますので、水質検査機関に相談してください。
4 水質基準に適合していない場合
水道法の水質基準に適合していない場合は、飲用としては不適当ですので、一旦利用を停止し、市町の担当課又は最寄りの県健康福祉センター(環境保健所)に相談しましょう。
水質を改善するには、原因を調べ、外部からの汚染を受けないよう施設の改善を行ったり、井戸の清掃、浄水器によるろ過、塩素系薬剤による消毒、又は井戸の掘り換えを行うなどの適切な処置が必要です。これらの処置を行った上で、もう一度水質検査をしましょう。
5 井戸等の管理
いくら水がきれいでも、十分な管理を行わないと汚染のもとになります。
次のことに注意してください。
- 井戸及びその周辺にみだりに人や動物が立ち入らないように柵をするなど措置をしてください。
- 井戸の周囲に排水溝をつくらないなど、排水が地下に染みこまないようにしてください。
- 井戸の周辺は清潔を保つよう定期的に点検を行ってください。(蓋をするなど外部からの汚染がないようにしてください。)
6 水道のすすめ
市町の水道は、法で定められた水質項目の検査が定期的に実施され、いつでもきれいで安全な水を供給できるよう管理されています。
現在、井戸水を利用されている家庭でも、水道が利用できるところでは、少なくとも飲み水については、水道に切り替えられることをおすすめします。
7 問い合わせ先
各市町飲用井戸担当課(下関市を除く。)又は管轄の環境保健所にお問い合わせください。
※下関市にお住まいの方は、下関市生活衛生課(083-231-1540)に御相談ください。
※PDF版「飲料水の水質検査について」はこちらからダウンロードできます。
飲料水の水質検査について