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食品衛生法の改正について
食品衛生法改正のポイント(令和3年6月施行)
1 HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の義務化
原則、すべての食品等事業者は、HACCPに沿った衛生管理を行わなければなりません。
事業所の規模や業種、業態に応じて、取り組む衛生管理が異なります。
2 営業許可制度の見直しと営業届出制度の創設
食中毒のリスク等を考慮し、許可業種、届出業種、それ以外の業種に区分されました。
※令和3年6月1日時点で新たに許可が必要となった業種を営んでいた事業者は、経過措置期限(令和6年5月31日)までは許可を受けずに営業することができます。なお、令和6年6月1日以降も引き続き営業する場合は、期限までに許可を受けなければなりません。詳しくは、最寄りの保健所にご相談ください。
食品衛生法経過措置満了周知リーフレット (PDF:523KB)
3 食品等の自主回収報告制度の創設
食品等の自主回収を行う場合は、保健所に届け出る必要があります※。
※食品表示法にも同様の規定があります。
4 指定成分等含有食品による健康被害情報報告制度の創設
特別の注意を必要とする成分等※を含む食品による健康被害があった場合には、食品事業者等は、その情報を都道府県知事に届け出る必要があります。
※特別な注意を必要とする成分等
- プエラリア・ミリフィカ
- コレウス・フォルスコリー
- ドオウレン
- ブラックコホシュ
1 HACCPに沿った衛生管理の義務化
対象事業者等の区分
区分 |
対象事業者 |
取り組む衛生管理 |
|
---|---|---|---|
A |
B及びCに該当しない事業者 |
H |
HACCPに基づく衛生管理 |
B |
|
HACCPの考え方を取り入れた衛生管理 |
|
C |
|
一般衛生管理のみ ※1適正製造管理(GMP)を実施 |
採取業に該当する業者は対象外
(令和2年5月18日付 薬生食監発0518第1号)(PDF:347KB)
HACCPに沿った衛生管理
これまで求められてきた衛生管理の内容を、個々の事業者が使用する原材料、製造・調理の工程等に応じた衛生管理となるよう計画策定、記録保存を行い、「最適化」、「見える化」するものであり、次のことを実施します。
- 「一般的な衛生管理」と「HACCPに沿った衛生管理」を行うため、衛生管理計画書を作成し、従業員に周知徹底を図る。
- 必要に応じて、清掃・洗浄・消毒や食品の取扱等について具体的な方法を定めた手順書を作成する。
- 衛生管理の実施状況を記録し、保存する。
- 衛生管理計画及び手順書の効果を定期的に(及び工程に変更が生じた際等に)検証し(振り返り)、必要に応じて内容を見直す。
一般衛生管理に関する基準
施設の内外の清潔の保持、ねずみや昆虫の駆除など、全ての食品等事業者が取り組む衛生管理の基本です。
一般衛生管理で取り組む内容
- 食品衛生責任者等の選任
- 施設の衛生管理
- 設備等の衛生管理
- 使用水等の管理
- ねずみ及び昆虫対策
- 廃棄物及び排水の取扱
- 食品又は食品添加物を取り扱う者の衛生管理
- 回収・廃棄の手順
- 運搬・販売時の衛生管理
- 食品等取扱者の教育・訓練 他
HACCPに基づく衛生管理
A区分の営業者は、以下の手順で衛生管理を実施します。
1危害要因分析 |
工程ごとに、食品衛生上の危害を発生させる要因(危害要因)を分析し、これらを管理するための措置(管理措置)を設定 |
---|---|
2重要管理点の決定 |
1で特定された危害要因の発生の防止、排除又は許容できる水準にまで低減するために管理措置を講ずることが不可欠な工程を重要管理点として特定 |
3管理基準の設定 |
個々の重要管理点において、危害要因の発生の防止、排除又は許容できる水準にまで低減するための措置(管理基準)を設定 |
4モニタリング方法の設定 |
重要管理点の管理の実施状況について、連続的又は相当な頻度の確認(モニタリング)をするための方法を設定 |
5改善措置の設定 |
個々の重要管理点において、モニタリングの結果、管理基準を逸脱したことが判明した場合の改善措置を設定 |
6検証方法の設定 |
1~5に規定する措置の内容の効果を、定期的に検証するための手順を設定 |
7記録の作成 |
営業の規模や業態に応じて、1~6に規定する措置の内容に関する書面とその実施の記録を作成 |
HACCPの考え方を取り入れた衛生管理(小規模営業者等が実施すること)
B区分の営業者は、業界団体が作成し厚生労働省が内容を確認した手引書を参考にして、以下の取組を実施します。
業界団体等が作成し厚生労働省が確認した手引書は厚生労働省ホームページで公開されています。
で検索
厚生労働省HP:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000179028_00003.html<外部リンク>
衛生管理計画書作成のポイント
「いつ」、「だれが」、「どのように行うか」、「問題があった場合の対処方法」を明らかにする。
記録作成のポイント
普段と違うことが起こった場合には、具体的に記録し、後で確認できるようにする。
2 営業許可制度の見直しと営業届出制度の創設
営業許可業種の見直し
食中毒のリスク等を考慮して、営業許可業種が次の32業種に再編されました。
※改正法施行前から許可を有し営業している者は、許可期限までの間、従前の許可業種の範囲で営業できます。
ただし、新たに(令和3年6月1日以降)許可を取得するまでは、法改正により拡大された業種の営業はできません。
経過措置等
- 新たに許可業種となる業種・業態で、令和3年6月1日の法施行時点で、既に営業している者:
- 経過措置期限(令和6年5月31日)までに許可を取得(3年間は従前のとおり営業可能)
留意する業種例:容器包装に密封され常温保存が可能な食品の製造業、そうざい半製品の製造業
- 経過措置期限(令和6年5月31日)までに許可を取得(3年間は従前のとおり営業可能)
※令和6年6月1日以降も引き続き営業する場合は、期限までに許可を受けなければなりません。詳しくは、最寄りの保健所にご相談ください。
食品衛生法経過措置満了周知リーフレット (PDF:523KB)
- 次の業種で、それぞれの許可を得て営業している者:
- みそ製造業としょうゆ製造業、食用油脂製造業とマーガリン又はショートニング製造業をそれぞれ同一の施設で行い、かつ有効期限が不揃いな場合:いずれかの許可の有効期限のうち、遅い日までの間営業可能
- みそ製造業としょうゆ製造業、食用油脂製造業とマーガリン又はショートニング製造業をそれぞれ同一の施設で行い、かつ有効期限が不揃いな場合:いずれかの許可の有効期限のうち、遅い日までの間営業可能
- 一部の業態が許可不要となる業種:
- もっぱら容器包装に入れられた状態で仕入れ、そのままの状態で販売するものは許可不要
- もっぱら容器包装に入れられた状態で仕入れ、そのままの状態で販売するものは許可不要
営業届出制度の創設
営業許可の対象となっていない業種を営む営業者は、届出が必要です。
※次の公衆衛生上の影響が少ない業種(届出が不要な業種)を除く
- 食品又は添加物の輸入業
- 食品又は添加物の貯蔵又は運搬のみをする営業(ただし、冷凍・冷蔵倉庫業を除く)
- 容器包装に入れられ、又は包まれた食品又は添加物のち、常温保存が可能なものの販売をする営業
- 合成樹脂以外の原材料が使用された器具又は容器包装の製造をする営業
- 器具又は容器包装の輸入業又は販売業
対象営業者は、令和3年11月30日までに届出が必要です。(6か月間の経過措置)
※従前許可営業を営み、改正法により許可不要とされた営業者は、届出不要。
(乳類販売業、食肉販売業(包装食肉のみの販売に限る)、魚介類販売業(包装魚介類のみの販売に限る) 等)