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CIRレポート・1103
CIRレポート 3月号
中国の休み
国際交流員 祝 恒(中国)
時間の経つのは速いもの。
よく聞く言葉ですが、実感があるのは最近からです。
2010年の4月に来日してから、楽しい日々を過ごしていますが、最近になって気づきました。もう帰国の2011年4月が目の前です。
さて、個人として最終回のレポートは中国の休みを紹介いたします。
一、土曜日、日曜日
今の中国人は世界中のいろんな国と同じ、土曜日、日曜日が休みです。中国語では「双休」と言います。しかし、1994年までは、週6日間働くのが決まりでした。それから、1994年3月1日、二週間を一つの単位として、最初の週は同じように6日間出勤・通学しますが、次の週は今のように5日間だけ働けばいいという「1+2」休暇制度が打ち出されました。1994年3月5日、中国初の休みの土曜日が誕生しました。これから1年後の1995年、新しい「職員の勤務時間について」法律の実施により、「双休」は初めて国民生活に入りました。
二、記念日
中国では、伝統的な記念日と外国から入ってきた記念日が共存しています。しかし、記念日イコール休日というわけではありません。現行の休日制度は下表の通りです。
名称 |
期間 |
休み |
期間(新暦) |
日数 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 |
元旦(正月) |
新暦1月1日 |
○ |
1月1日~3日 |
3日間 |
||
2 |
春節(旧正月) |
旧暦1月1日 |
○ |
2月2日~8日 |
7日間 |
||
3 |
バレンタインデー |
新暦2月14日 |
× |
- |
- |
|
|
4 |
国際婦人節 |
新暦3月8日 |
○ |
3月8日 |
1日間(女性のみ) |
||
5 |
ホワイトデー |
新暦3月14日 |
× |
- |
- |
|
|
6 |
元宵節(団子の日) |
旧暦1月15日 |
× |
- |
- |
|
|
7 |
清明節(お墓参り) |
新暦4月5日 |
○ |
4月3日~5日 |
3日間 |
||
8 |
国際労働節(メーデー) |
新暦5月1日 |
○ |
4月30日~5月2日 |
3日間 |
||
9 |
青年節 |
新暦5月4日 |
× |
- |
- |
|
|
10 |
母親節(母の日) |
新暦5月8日 |
× |
- |
- |
|
|
11 |
国際児童節(子供の日) |
新暦6月1日 |
○ |
6月1日 |
1日間(子供のみ) |
||
12 |
端午の節句 |
旧暦5月5日 |
○ |
6月4~6日 |
3日間 |
||
13 |
父親節(父の日) |
新暦6月19日 |
× |
- |
- |
|
|
14 |
教師節(先生の日) |
新暦9月10日 |
○ |
9月10日 |
1日間(教師のみ。自動的に教え子も) |
||
15 |
中秋節 |
旧暦8月15日 |
○ |
9月10日~12日 |
3日間 |
||
16 |
国慶節(建国記念日) |
新暦10月1日 |
○ |
10月1日~7日 |
7日間 |
||
17 |
重陽節 |
旧暦9月9日 |
× |
- |
- |
|
|
18 |
クリスマス |
新暦12月25日 |
× |
- |
- |
|
|
19 |
ハロウィン |
新暦11月1日 |
× |
- |
- |
休みの日数が多いように見えますけど、実際3と書いてあるのは記念日1日に土日の2日間をたす(記念日の前か後ろに土日の休みを振り替えてくっつける)、つまり「1+2」の結果です。同様に、7は「5+2」です。こうしてみると、やはり中国の休日はちょっと少ない感じです。
休日の名称に違いがあるのが言うまでもなく結構あります。ほかに、日本と違うのは、ほとんどの場合、記念日が土日と一緒になることです。また、たとえ土曜日に重なっても記念日はなくなりません、振替して一緒に休むのが慣例ということです。日本と似ているのは、日本のゴールデンウィークのように、中国の国慶節の連休は旅行のピークということです。また、春節に旅行せず、実家に帰って、両親や友達に年賀の挨拶をして、一家団欒するのも日本のお正月とほぼ同じようですね。しかし、国民みんなも同じように実家に帰りたい気持ちですから、毎年の春節は年中最も交通機関、特に鉄道が混んでいる時期だといわれています。例えば、今年の春節休日の初日に、首都北京駅だけで何と乗客が延べ50万人を超えました。切符一枚買うために、何日間も切符売場で待機することも珍しくありません。これはたぶん人口が世界の1/5を占めている中国だけの特色だといえるのでしょう。更に、中日両国も西洋社会からの記念日(クリスマスやハロウィンなど)に賑やかな雰囲気を作って、楽しく過ごしますが、法定の休日には入っていません。これは何らかの偶然かもしれませんね。
三、年休
2008年1月1日から、中国も法律の形で年休制度を導入しました。
勤務年数 |
年休日数 |
---|---|
1年~10年 |
5日 |
10年~20年 |
10日 |
20年~ |
15日 |
表が示しているように、新入りは残念ですが、年休をもらえません。年休日数は勤務年数によって違います。しかし、1年ごとにプラス1日のわけではなくて、基本的には10年ごとに5日間を加える形で、上限15日間ということになります。休みたい時はまず上司に申込書を出して、次にできることはもう上司の判断を待つだけです。もちろん、仕事の都合で、申請しても取れないこともありますが、その代わりに、300%分の日給がもらえます。一方、休みを取るなら、1回のみ、つまり1回で使い切ることです。わずか5日間を分けて1日単位で違う時期に5回休むというやり方はまだ普及していません。