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エシカル消費の概念の普及・啓発を目的として、消費者庁と山口県の主催により、「エシカル・ラボin山口」を開催しました。
「エシカル・ラボ」は、平成27年に第1回が東京都で開催され、その後、徳島県、鳥取県、秋田県で開催されており、本県での開催が都道府県レベルでは5番目となります。
また、当日は、自分で考え行動する「自立した消費者」が主役となる社会の実現を目指し、消費生活の問題を考えるきっかけづくりを目的として募集した「消費者啓発の標語」の入選者の表彰なども行いました。
※エシカル消費とは
「倫理的消費」ともいい、フェアトレード商品やエコ商品、リサイクル製品、被災地産品など、人や社会、地球環境のことに配慮して作られたものを、積極的に購入し、又は消費すること。
主催者である消費者庁の高島竜祐審議官が、「エシカル・ラボ」の開催状況等の話も交え、開会の挨拶をしました。
エシカルインスティチュートなごや副代表の三輪昭子氏に、エシカル消費の取り組みに向けた講演をしていただきました。エシカル消費を始めるきっかけとして、普段の買物をする際の基準に「愛」を加えることの大切さをお話しいただきました。
県内でエシカル消費の活動を行う皆様に、活動内容の発表を行っていただきました。参加者の方々に、身近なところでもエシカル消費の活動が行われていることに気づいていただきました。
自身が理事長を務めるフードバンク山口の活動内容も交えつつ、食品ロスの視点を中心として、エシカル消費の紹介をしていただきました。
また、今村氏には、発表全体を通じたコーディネーターも務めていただきました。
山口県消費者団体連絡協議会で行ったエシカルキックオフ学習会の内容を発表していただきました。表示内容や値段からどの商品を選ぶのか、エシカル消費に一定の正解がないことを教えていただきました。
レジ袋の削減や、レノファ山口・地元アイドルと連携した食品ロス削減の普及・啓発など、山口県で進めるごみ減量の取り組みを紹介していただきました。「何を消費するか」だけでなく、「消費しない」や「消費しきる」ということもエシカル消費になることに気づくことができました。
自身の店舗で広められているフェアトレードの紹介と、防府で唯一のフェアトレードの店である店舗の紹介をしていただきました。エシカル消費の推進には、個人の意識とともに、行動を起こせる場所や機会の確保が大切であることを感じさせる内容でした。
山口県地域消費者団体連絡協議会で長年行っている消費者市民社会に向けた取り組みについて紹介していただきました。エシカル消費は決して新しい取り組みではなく、今までの取り組みの延長線上にあることがよく分かる発表でした。
山口県の将来を担う若者たちも、エシカルな活動に取り組んでいます。県内の大学と高等学校から発表していただきました。
世界中で発生する過食と食糧不足という食の不均衡を是正するための取り組み「Tft(Table For Two)」の紹介を中心に発表していただきました。発展途上国の食糧不足だけでなく、私たちの国にも過食という食の問題があることに気づかされました。
文部科学省から指定を受けたSgh(スーパーグローバルハイスクール)の課題研究で行われた、エシカルに関する取り組みを発表していただきました。世の中の問題を意識して、その解決に向けて研究・行動するという、宇部高校探究科の取り組みそのものがエシカルな取り組みであることが分かりました。
開催県を代表して、村岡知事が挨拶をしました。
自分で考え行動する「自立した消費者」が主役となる社会の実現を目指し、消費生活の問題を考えるきっかけづくりを目的として募集した「消費者啓発の標語」について、入選作品の表彰を行いました。受賞者の方々には、村岡知事から賞状と記念品が授与されました。(受賞作品はこちら→入選作品(PDF:112KB))
消費者庁の高島審議官から山口県PR本部長である「ちょるる」に委嘱状が授与され、「ちょるる」が「消費者教育推進大使」に委嘱されました。これから「ちょるる」は、消費者教育の推進にも頑張っていきます。
村岡知事が、会場の方々とともに、「山口エシカル宣言」を行いました。
明治改元150年の今年、「維新胎動の地 山口県」において、「私たちの消費行動で世界の未来を変えていく」という高い「志」を持ち、エシカル消費の推進に新たにチャレンジしていくことをここに宣言します。
山口エシカル宣言全文(PDF:136KB)
山口県から、次期開催自治体である京都府へ、エシカルバトンの引継ぎが行われました。引継ぎ後、京都府の磯崎府民生活部副部長から、意気込みの表明がありました。
山口県の佐伯環境生活部長が閉会の挨拶をしました。閉会後は、「ちょるる」と消費者庁の消費者ホットライン188イメージキャラクター「イヤヤン」が、ロビーで参加者の方々のお見送りをしました。
当日は、別室でエシカル商品の物品販売も行いました。フェアトレード商品や授産事業商品、地産・地消の商品などが並べられた会場には、多数の参加者の方々が来場され、品切れが続出する盛況ぶりでした。
また、Ypu Tft ProjectによるTftメニューの試食として、県内地酒の酒粕を使用したプリンも提供されました。村岡知事もプリンを試食しました。