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農業振興地域制度・農業振興地域制度
農業振興地域制度について
農業振興地域制度は、農業の振興を図るべき地域を定め、土地の有効利用と農業の近代化のための措置を計画的に推進し、農業の健全な発展を図ることを目的として「農業振興地域の整備に関する法律」(以下「農振法」といいます。)により設けられた制度です。
山口県では、令和2年12月8日に国の「農用地等の確保等に関する基本指針」が変更されたことから「山口県農業振興地域整備基本方針」を変更しました。
農振法を参照されたいときはこちらへ→法令データ提供システム/総務省行政管理局<外部リンク>
農業振興地域整備計画について
農業の振興を図るべき地域(農業振興地域)として知事から指定された区域を有する市町村は、農業振興地域整備計画(以下「農振計画」といいます。)を定めることとされています。
山口県では、昭和44年の農振法施行以後、55の地域(平成の合併前の56市町村のうち和木町を除く55市町村の区域)で農業振興地域が指定され、現在、和木町を除く18市町において農振計画が定められています。
農振計画では、農振法に基づき次の事項が定められています。
- 農用地等として利用すべき土地の区域(農用地区域)及びその区域内にある土地の農業上の用途区分(農地、採草放牧地、混牧林地、農業用施設用地)
(以下「農用地利用計画」といいます。) - 農業生産の基盤の整備及び開発に関する事項
- 農用地等の保全に関する事項 他
農用地区域内の土地について
農用地区域は、市町村が定める農振計画において、長期にわたり農業上の利用を確保すべき土地の区域をいいます。
したがって、農用地区域内の土地は原則として転用が認められないこととなっており、例えば農地を転用するためには、農地法に基づく農地転用許可に先立ち農振計画を変更し、その農地を農用地区域から除外することが必要となります。
農振法に基づき農用地区域内に含まれる土地は次のとおりです。
- 集団的に存在する農用地で10ヘクタール以上のもの
- 農業用用排水施設の新設又は変更、区画整理、農用地の造成等の施行に係る区域内にある土地
- 上記a又はbに掲げる土地の保全又は利用上必要な施設の用に供される土地
- 2ヘクタール以上又は上記a及びbに掲げる土地に隣接する農業用施設用地
- 地域の特性に即した農業の振興を図る上で農業上の利用を確保することが必要と認められる土地
農業振興地域整備計画を達成するための措置
農業振興地域、農用地区域内の土地に対しては、農業振興に関する施策を計画的、集中的に実施するなど、次のように農振計画達成のための措置が講じられています。
1 農業施策が重点的に実施されます
(1)国や地方公共団体が直接又は補助事業として実施するもので農用地区域を対象に実施する事業
- 農業生産基盤の整備、開発に係る事業
ほ場整備事業やかんがい排水事業等の土地改良事業が該当します。 - 農業生産近代化施設の整備事業
ライスセンター、集出荷施設、格納庫や育苗施設など近代化のための施設を整備する事業が該当します。
農地保有合理化に関する事業 - 農地移動適正化あっせん事業など農地の集団化その他農地保有の合理化のための事業が該当します。
(2)国や地方公共団体が直接又は補助事業として実施するもので農業振興地域内の農用地区域以外の区域(いわゆる農振白地区域)を対象に実施する事業
- 生活環境の整備事業
集落道、集落排水、集会施設や農村公園など良好な生活環境を確保するための施設を整備する事業が該当します。 - 農産物広域流通加工近代化施設等の整備事業等
次のような事業が該当します。- 2以上の農業振興地域を含む大規模な流通加工施設を整備する事業
- 農用地利用を伴う家畜の生産等に関する事業
- 広域農道や農免農道等に関する事業
(3)融資事業
農業生産基盤の整備開発に必要な資金、農地等の取得に必要な資金及び土地利用型の農業経営の改善に必要な資金の融通は、農用地区域を対象として実施されるものがあります。
2 税制上の優遇措置が講じられます
農業振興地域制度に関連し次のような税制上の特例措置が設けられています。
(1)所得税・法人税
- 農用地区域内の土地や土地に係る権利(以下「土地等」といいます。)を譲渡した場合の譲渡所得の特別控除
- 農用地区域以外の地域内にある土地等、建物又は構築物を農用地区域内の土地等、建物、構築物又は機械・装置に買い換えた場合の譲渡所得の課税の特例
- 農用地区域内の土地等の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例
- 農振法第13条の2に基づく交換分合の施行に係る土地等の譲渡所得の課税の特例又は特別控除
(2)不動産取得税
- 農用地区域内の土地を取得した場合の課税標準の減額
- 農振法第13条の2に基づく交換分合により土地等を取得した場合の課税標準の減額
(3)相続税
- 農用地区域内にある農地は、すべて「純農地」として評価
- 農用地区域内にある農業用施設用地は、農地価額に通常必要と認められる造成費相当額を加算した額で評価
(4)贈与税
農用地区域内の農用地開発予定地に対する納税猶予制度の適用
(5)固定資産税
農用地区域内にある農業用施設用地は、農地価額に通常必要と認められる造成費相当額を加算した額で評価