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劇症型溶血性レンサ球菌感染症(streptococcal toxic shock syndrome: STSS)は、突然発症し、ショックと多臓器不全が急速に進行する重症感染症であり、感染症法に基づく感染症発生動向調査において5類全数把握疾患と定められています。その死亡率は30%以上とされていますが、重症化するメカニズムはまだ解明されていません。
STSSは、通常無菌の部位(皮膚軟部組織、胸膜、髄膜など)に溶血性レンサ球菌(A群、B群、G群など)の毒素産生株が感染することで発症します。
国内におけるSTSSの発生状況は、2023年の届出報告数は941人と過去最多でした(2番目はCOVID-19流行前の2019年)が、2024年6月時点の届出報告数は2023年の届出報告数をすでに上回っています。(厚生労働省 劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)(厚生労働省HP)<外部リンク>)山口県においても、2023年の届出報告数は12人と過去最多でした。
2023年12月には、A群溶血性レンサ球菌(group A Streptococcus GAS, Streptococcus pyogenes)によるSTSS症例が増加傾向にあり、2023年7月以降、50歳未満の報告数及び死亡数割合が増加したことが報告されました。同時に、GAS咽頭炎の定点あたりの報告数の増加、UK系統株の地域集積も認められましたが、相互関連は不明とされています。
2024年3月には、国内発生状況更新・リスク評価がとりまとめられ、2024年6月には、さらに国内外の発生状況が更新されています。
山口県内のSTSS発生状況は以下のとおりです。
更新日:2025年4月9日