ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 山口県感染症情報センター(トップページ) > 感染症サーベイランス > 劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)

本文

劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)

ページ番号:0267260 更新日:2025年1月8日更新

劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)とは

劇症型溶血性レンサ球菌感染症(streptococcal toxic shock syndrome: STSS)は、突然発症し、ショックと多臓器不全が急速に進行する重症感染症であり、感染症法に基づく感染症発生動向調査において5類全数把握疾患と定められています。その死亡率は30%以上とされていますが、重症化するメカニズムはまだ解明されていません。

病原菌・症状

STSSは、通常無菌の部位(皮膚軟部組織、胸膜、髄膜など)に溶血性レンサ球菌(A群、B群、G群など)の毒素産生株が感染することで発症します。

  • 初発症状
    咽頭痛、発熱、消化管症状(食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢)、全身倦怠感、低血圧などの敗血症症状、筋痛など。※明らかなこれらの前駆症状がない場合もあります。
  • 後発症状
    発症から24時間以内に急速に進行する軟部組織病変、循環不全、呼吸不全、播種性血管内凝固症候群(DIC)、肝腎不全などの多臓器不全。

診断・治療

  • 診断
    ショック症状と多臓器の病変、および無菌的部位からの溶血性レンサ球菌の分離による。
  • 治療
    適切な抗菌薬の迅速な投与、必要に応じて緊急手術による広範囲の病巣の除去、集中治療室での全身状態の管理など。

発生動向

国内におけるSTSSの発生状況は、2023年の届出報告数は941人と過去最多でした(2番目はCOVID-19流行前の2019年)が、2024年6月時点の届出報告数は2023年の届出報告数をすでに上回っています。(厚生労働省 劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)(厚生労働省HP)<外部リンク>)山口県においても、2023年の届出報告数は12人と過去最多でした。

2023年12月には、A群溶血性レンサ球菌(group A Streptococcus GAS, Streptococcus pyogenes)によるSTSS症例が増加傾向にあり、2023年7月以降、50歳未満の報告数及び死亡数割合が増加したことが報告されました。同時に、GAS咽頭炎の定点あたりの報告数の増加、UK系統株の地域集積も認められましたが、相互関連は不明とされています。

2024年3月には、国内発生状況更新・リスク評価がとりまとめられ、2024年6月には、さらに国内外の発生状況が更新されています。

山口県内のSTSS発生状況は以下のとおりです。
STSS
更新日:2025年4月9日

関連リンク

3 すべての人に健康と福祉を