1 事業の背景及び目的
(1)背景
平成7年(1995年)の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)、平成16年(2004年)の新潟県中越地震などにおいて、大規模に盛土造成された宅地で滑動崩落による被害が発生しました。この滑動崩落という現象のメカニズムは、これらの被害により初めて明らかになってきました。これを受けて、地震時の宅地の安全性を確保するため、平成18年(2006年)に宅地造成等規制法が改正されました。
あわせて、滑動崩落を防止するために必要な調査や工事などを支援する宅地耐震化推進事業が創設されました。
(2)事業の目的
大規模盛土造成地の位置及び規模を調査し、大規模盛土造成地マップを作成・公表することにより、宅地造成に伴う災害リスクに対する県民の理解を深めるとともに、滑動崩落による被害の未然防止を促進します。
2 大規模盛土造成地とは
次のいずれかに該当するものをいいます。

3 滑動崩落とは
盛土の滑動崩落は、通常時は、盛土自体の重さで「滑り出そうとする力」と摩擦力などで「抵抗する力」が釣り合っているため、盛土は安定しています。
しかし、地震時には盛土が「滑り出そうとする力」に「地震力」が後押しするかたちで加わります。盛土が「滑り出そうとする力」と「地震力」を合わせた力が「抵抗する力」を上回った場合、盛土は滑り出してしまいます。

(例:ひな壇部の変形)
4 大規模盛土造成地マップの公表について
位置図と宅地のチェックポイント等を記載したリーフレットを掲載しますので活用ください。
202007山口県大規模盛土造成地マップリーフレット (PDF : 835KB)
国土交通省「ハザードマップポータルサイト」の「重ねるハザードマップ」で防災に役立つ様々なリスク情報を1つの地図上に重ねて表示することもできます。詳しくは、ハザードマップポータルサイト (別ウィンドウ) で確認ください。 - 全国の市区町村で様々な縮尺により整備されていた大規模盛土造成地マップをよりわかり易くするために、1/25,000 相当の精度まで表示できます。
- 大規模盛土造成地は直ちに危険な土地ではありませんが、その情報と土砂災害や浸水想定などのハザード情報と重ねて閲覧可能であり、身近な地域の災害リスク情報などが把握可能です。
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(1)マップの作成方法について
造成前と造成後の地形図を重ね合わせることにより大規模盛土造成地のおおむねの位置と規模を抽出します。

(2)マップの公表について
- この時点でマップに示す箇所が、全て地震時に危険というわけではありません。
- マップに掲載されている避難所情報は、マップ作成時点の情報です。最新の状況は市町にご確認ください。
(3)よくある質問
- 質問1 大規模盛土造成地とはどのような造成地ですか?
- 大規模盛土造成地とはをご覧ください。
- 質問2 大規模盛土造成地マップを公表した目的は何ですか?
- 土地所有者等に対して大規模盛土造成地が身近に存在することを知っていただくとともに、災害の未然防止や被害の軽減に繋がるよう、防災意識を高めていただくことを主な目的としています。
- 質問3 他の自治体ではマップを公表していますか?
- 全国の大規模盛土造成地マップの公表状況等については、国土交通省のページ「大規模盛土造成地マップの公表状況等について (別ウィンドウ) 」をご覧ください。また、国土交通省「ハザードマップポータルサイト (別ウィンドウ) 」の「重ねるハザードマップ」で全国市区町村の防災に役立つ様々なリスク情報を1つの地図上に重ねて表示することができます。
- 質問4 マップに示された大規模盛土造成地は危険ということですか?
- 宅地の造成前と造成後の地形図等を重ね合わせた机上調査により、大規模盛土造成地の定義に該当するものを抽出しましたので、マップに示されたからといって必ずしも危険というわけではありません。
- 質問5 公表されたマップでは自分の敷地が大規模盛土造成地に入っているかよくわかりません。詳細なマップはありますか?
- 大規模盛土造成地マップは、地形図等を重ね合わせて作成したマップのため、精度上、概ねの位置と規模を示したもので個々の敷地まで特定するものではありません。
- 質問6 宅地に大規模盛土造成地が含まれていた場合、何か対策が必要ですか?
- このマップは、必ずしも危険な箇所を示したものではありませんので、現時点で何らかの対策の必要はありません。大規模盛土造成地が身近にあることを知り、日頃から宅地の地盤や擁壁の点検を行うなど、防災意識を高めていただきたいと考えています。点検の際は、国土交通省ホームページにある「わが家の宅地安全マニュアル」 (別ウィンドウ) のチェックポイントを参考にしてください。もし、何かおかしいとお気づきになった際はお住まいの市町担当窓口 (別ウィンドウ) にご相談ください。
- 質問7 大規模盛土造成地内にある土地で、宅地開発や建物の建築を行う場合、どのような手続きが必要ですか?
- 「大規模盛土造成地」としての特別な規制や手続きはありませんが、宅地開発や住宅等の建築を行う場合は、それぞれ開発許可手続や確認申請等の手続きを行ってください。
- 質問8 土地取引等の売買に際し、大規模盛土造成地に入っていることを宅地建物取引業法に基づく重要事項説明書に記載する必要がありますか?
- 「大規模盛土造成地」であることを重要事項説明書に記載することは義務付けられていません。ただし、宅地造成等規制法第20条第1項により指定された「造成宅地防災区域」内にあるときは、その旨を宅地建物取引業法の重要事項説明において「造成宅地防災区域の有無」の記載が必要になります。詳細については、山口県住宅課 (別ウィンドウ) 民間住宅支援班にお問い合わせください。
- 質問9 山口県に「造成宅地防災区域」がありますか?
- 山口県の造成宅地防災区域の指定状況を確認ください。
- 質問10 都市計画法の開発許可や土地区画整理事業によって整備された造成地でも宅地耐震化のための工事が必要となりますか?
- 開発許可や土地区画整理事業の手続きを受けた造成地は、一定の基準により造成されており、造成後、造成時と同じ状態が維持されていれば、減災効果が期待されますが、その状態については確認する必要がある場合もあります。
- 質問11 最近行われた造成地もマップに表示されていますか?
- マップの追加更新時点において入手できた造成前の地形図と造成後の地形図を重ね合わせ把握したものが表示されています。新たな情報・知見が得られた場合や、新たな宅地造成地が行われた場合は、情報を提供していきます。
- 質問12 もっと大規模盛土造成地の滑動崩落対策について知りたい。
- 国土交通省のページ「大規模盛土造成地の滑動崩落対策について (別ウィンドウ) 」をご覧ください。
5 宅地造成工事規制区域の指定状況
山口県内では、下関市、周南市及び岩国市のそれぞれの一部が指定されています。詳細は市の担当窓口で確認してください。
6 造成宅地防災区域の指定状況
令和2年(2020年)7月1日現在、山口県内の市町において、造成宅地防災区域の指定はありません。